Rolf Movement ®認定トレーニングに関する情報を提供します。

2007年2月19日月曜日

2005年東京Rolf Movement認定コースを振り返って

2005年東京Rolf Movement認定コースを振り返って
                    田畑浩良 C.A.R.
 
 2005年5月9日より6月3日までの4週間に渡り,アジアとしても初となるRolf Movement認定トレーニングが,東京にて開催されました。Rolf Insitute認定のロルファー10名が参加し,Carol Agneessensをインストラクター,田畑をアシスタントインストラクターとして,無事全プログラムを終え,公式認定Rolf Movementプラクティショナーがこのとき10名誕生しました。2005年当時日本国内で活躍するおよそ35名のロルファーのうち,あわせて約20名が,Rolf Movement Integrationを提供できることになりました。

(1)Rolf Movement Integration(RMI)とは?

開発当初は,ロルフィングによって構造的に統合された身体に,repatterningと呼ばれる,いくつかの機能的に意味のある動きを身体に入力することが中心のワークでした。近年,perception(一般的な知覚に留まらず,空間に対する感覚や身体に対する捉え方など,意味が広範囲に及ぶ)に変化をもたらすことにより,身体の構造的変化にもつながることがわかってきました。さらに,古典的なセッションでは,8セッションからなる決まった”型”が存在しましたが,現在では,クライアントに応じてセッションを組み立てる”型”のない進め方に変遷しました。Rolfing Structural Integrationが,構造に焦点を当てるのに対して,RMIは,動きつまり,機能面から統合するという観点の違いがあります。しかしながら,構造と機能に密接な関係があるように,両者はシームレスな関係としてみることができます。
また,RMIの認定トレーニングでは,ロルファー側の身体への認識自体にも大きなシフトが起こるため,Basic 10においても本トレーニング前とは異なるクオリティのセッションとなります。

(2)実際の用いられ方
Rolfingの2つの柱は,tissue differentiationとMovement educationと考えられていますが,Rolf Movementは,後者に重点を置いています。実際の用いられ方として,Basic 10 Rolfingシリーズ後は勿論,その途中でRMIのセッションを入れたり,或いは,10回の中にうまくブレンドされる形でも用いられています。
Rolfingのシリーズをよりまとまった形で終えるために,或いは,日常生活やパフォーマンスの向上など,応用できる身体へのニーズに応えるために,RMIの可能性とその果たす役割は大きいと考えられます。

(3)2005年クラスの特徴

Godardのモデルで重要視される3 Lodorses,頸椎と腰椎の2次カーブと,膝の構造について再検討しました。具体的に,膝内部に空間を引き出す手法,および腰椎のカーブに大きく影響を与える股関節に直接働きかけるテクニックを紹介しました。これらは,矯正やマニピュレイションというより,機能的な”動き”を通してembrionicに組織内深部空間の自発的拡大を促し,構造的に大きな変化をもたらすパワフル且つ斬新な方法が紹介されました。


perceptionへの働きかけや,発達の基礎となる動き,特に,"yield=もたれる,委ねる意"の感覚が特に大きな意味をもつことが明らかになってきました。それは,初期の発達段階にて,外界に対する能動的な最初のアクションであり,他者と触れ合う基本動作でもあります。

その他,Internal sensationの重要性,vestibular systemの重要性についても探求される内容であり,体験を通して,参加生が自身のperceptionをシフトする有意義な内容だったと思われます。

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1998年に米国コロラド州ボールダーにて,The Rolf Instituteによりロルファーとして認定されて以来,Rolfing®の個人セッションを中心に活動しています。