Rolf Movement ®認定トレーニングに関する情報を提供します。

2007年11月2日金曜日

インストラクターのモデルクライアントの体験記 (3)

2007年RMIクラスにおけるモデルクライアントY.T.さんの体験記の締めくくりです。


RMIセッション3回目の感想
                                 

今回は、さらにリラックスして、とても楽しいセッションでした。

足から腰へ、下から上へと進んできたセッションはいよいよ腕、肩、胸、首…という上半身へ。
私も少し慣れてきたせいか、今回は、Carolさんの考えがよく感じられました。(どこを問題にしているか、など)
私の、なかなか動かない(使えていない)鎖骨~胸、肩あたりの動きを見出したい、ということ。
自分でも、動かないなぁと自覚はしつつも、どうしたら動かせるんだかよくわからない
というブラックボックスゾーンです。

最初は、うつぶせになって、手の下にボールを置き、軽く動かしていきます。とても気持ちがよく、寝てしまいそうでした。
一度立って、歩いてみましたが、Carolさんはまだまだ大きく動くはず、と思っておられるようです。

次は座りながらのワーク。私が一番驚いたのが、「鎖骨が回転するのを感じましょう」というCarolさんの言葉です。
それを聞いた途端、「鎖骨って、回転するの!?」→「そう言われれば、少しくらい転がりそうだ…。」→「鎖骨が回転すれば、そりゃ、その下の胸の筋肉も、その横の肩のあたりもひとかたまりになったままじゃなくて、自由に動けそう!」というイメージが次々にバババッと浮かびました。
そして、やさしく触れてもらっている間、鎖骨が回転を始めるイメージを持って、リラックスしていました。
それから、大きく呼吸。「この部屋を全部吸い込むように」「東京を全部吸い込むように」と言われて、イメージの力を借りて、楽しく大きく呼吸してみました。
再度、立って歩いてみましたが、Carolさんは、まだ少し納得がいかない様子です。

そして、さらに、Carolさんと向かい合って座り、両手を合わせて、Carolさんの動きについていくというダンスのようなワークをすることになりました。
手を合わせて動かしていくうちに、Carolさんは全身大きく動いているのに、自分は手だけの動きになっていることに気づきました。そこで、Carolさんの動きを鏡のようにお手本にしてみると、私の動きも大きく伸びやかになっていきました。
動きに集中し、動きを楽しみながら、私はふと「今まで、無意識に、きちんと前を向いていなくてはならない、という思い込みをしていたのかもしれない」と思いました。そして、「あぁ、こうしてのびのびと胸を動かせばいいんだ」「私は好きなように動けるんだ」という気持ちがわいてきました。そうしたら、なんだか明るい光を浴びながら動いているような感じがして、こうして動きを楽しめることがとても幸せだなぁという気もちになりました。
今度は、私がリード役になり、Carolさんがついて動くことになりました。私は、その幸せな気持ちを維持したまま、動かし残した筋肉がないように、いろんな方向へ大きく大きく動きました。とても楽しい気持ちでした。

最後に「さぁ、歩いてみてください」と言われた時には、1歩目を踏み出す前から、胸が膨らみ柔らかくはずむのを自分でも感じて、つい笑みがこぼれました。歩きながらも、歩くことそのものが楽しくてうれしくて、ニヤニヤしながら歩いていました。どなたから見ても、きっとその変化は歴然としていたことだと思います。

ロルフムーブメントのセッションは、こんなにも創造性にあふれ、想像力を駆使してワークできて、大きな可能性のあるものなのか!と心底びっくりし、興奮しました。

3回とも、とても興味深く、楽しく、素晴らしい経験をさせていただきました。
このような機会を与えていただき、感謝しております。
身体の変化を楽しみながら感じることができて、幸せです。
Carolさんには、心からありがとうございましたという気持ちでいっぱいです。

そして、通訳の方、受講生の皆さん、連絡などしていただいた小鹿さん、田畑さん、みなさまにも、温かく見守っていただき、お世話になり、本当にありがとうございました。

ロルフィング、ロルフムーブメント、本当に素晴らしいですね。
みなさん、こんな素晴らしい技術を持っておられ、学んでおられ、うらやましいです。
今後とも、皆さまとロルフィングのますますのご活躍とご発展を、心よりお祈りしております。
このたびは、本当にありがとうございました。

インストラクターのモデルクライアントの体験記 (2)

2007年RMIクラスにおけるモデルクライアントY.T.さんの体験記の続きです。



RMIセッション 2回目の感想
                              

2回目のセッションは、最初から緊張もせず、落ち着いて受けられました。初回のときにあたたかく迎えていただいたおかげです。ありがとうございます。

最初は、左を下にして横になり、右足の裏を壁につけた体勢から始まりました。
Carolさんは右の腰のあたりに手を当てています。前回のセッションで動きを感じ、柔らかくなったと感じたのは脇腹のあたりで、今回手を当ててもらっているのはもっと背骨に近いあたりです。
実は、右の腰はいつも(特に産後)、つっぱったような張りや軽い痛み、動かしたときに引っ掛かるような感じがあったのです。気になってはいたのですが、日常生活に大きな支障が出るわけでもないので、どうしたらつっぱりや引っかかりがなくなるかなぁ、と何となく思っていたのでした。なので、ソフトに触れてもらっている間は、とても気持ち良く感じました。私が右足の裏を感じると「上の方(腰)にまで波がやってくる」そう。面白い。

carolさんの手は、腰のあたりがら徐々に上へ移動し、肩から腕へ、指先へとすすんでいきます。「翼だと考えてください」と言われてその気になるりました。(他にも「指先でペイントするように」とか「鼻先に柔らかいブラシがあるように」などと)ロルファーさんもクライアントも互いに想像力を駆使してセッションがすすんでいくところは、ロルフィングの醍醐味の一つだなぁと私は思います。翼、翼と思っているうちに、肩甲骨のあたりが柔らかく感じられ、どちらの方向にも動かせそうな気がしました。背後に掲げられた模造紙に肩甲骨で何か描くとしたら、今まではある決まった軌跡しか描くことができなかったのが、今では模造紙を塗りつぶせそうな感じです。

立って歩いてみると、右側だけ、肩甲骨から腕にかけて大きく感じられてびっくりしました。(あの時もお話しさせていただきましたが)私が腕をもがれたフライドチキンになったとしたら、右側は左側の倍ほど肉がついていたことでしょう!

次に、右を下にして、左側をおなじように。でもcarolさんいわく、左側は感じが違うそうです。私は、今まで左側のほうが動きのイメージが明確にできず、それは左が利き腕ではないからかと思っていましたが、そうじゃなく、もっと左腕も自由自在思った通りに動かせる可能性を感じました。

その後は、あおむけになって、肩や首のあたりを。いつもひとまとまりとしてしか感じられない肩や首のあたりが、少しはがれたような、空間ができたような、伸びて気持ちいい感じがしました。

最後に、首の後ろや腰の後ろにそっと手を当てていただいている間は、気持ち良くて眠りそうになっていました。
立ち上がる時、「つい力を入れてしまいそうなところは?」と聞かれ、「右の腰です」と答えました。
Carolさんからも「がんばろうとすると、腰を(ピンと伸ばして)かたくする癖がある」
ことを指摘されました。「腰がかたくなりそうになったら、意識して、ゆるゆる~っとしてみてね」とアドバイスをいただきました。
ずばっと指摘されて、言われてみれば確かに、と思い当たる節もアリアリでびっくりしました。
きっと、意識的にも、無意識にも、「がんばろう」とか「ここ勝負だ」とか、ちょっと起き上がったり姿勢を変えたりという「よっこらしょ!」などというときに、いつも負荷をかけてきたのは、右腰だったんだろうなぁと、思い返しました。

しかし、この日の一番大きな身体の変化には、帰る途中に気がついたのです。

常に、突っ張っているようなひっかかっているようなかたい感じのあった右の腰が、軽い軽い!痛くない!うれしい!痛みだけでなく、ひっかかりがなくなって、可動域も広がりました。腰回す動きは、以前よりなめらかになりました!
じっくり思い返せば、この日のセッションは、Carolさんはずっと全体を見ながらも特に右の腰に注意を払っておられたような気がします。
一番最初に、着衣のまま歩いて見てもらった時からお見通しだったんですね!

右の腰は、ずっと「悪い」のかと思ってきたけれど、「変な癖がついていた」ということなのかな、と思いました。

2回目のセッションも、とても素晴らしく、驚きと興奮でいっぱいです。
ありがとうございました。
次回もよろしくお願いいたします。

インストラクターのモデルクライアントの体験記 (1)

2007年RMIクラスにおけるインストラクター,Carol Agneessensによるデモンストレーションが3回シリーズで行われました。モデルとして参加されたY.T.さんがその体験記を送って頂きました。
ご本人の許可の下,以下ご紹介します。


RMI初回セッションの感想
                         
今日は、RMIのセッションを受けさせていただき、
ありがとうございました。
会場に入ったとたん、皆さんロルファーの方々!?と思って、憧れで舞い上がり、
英語ですすめておられる講義の様子に、つい緊張してしまいましたが、
Carolさんがやさしく話しかけてくださり、
私が場になじむまでゆっくりと待っていてくださったので、
徐々にリラックスすることができ、楽しむことができました。


最初は、あおむけで、身体の状態を見てもらったり、腰の下へ手をあててもらったり。
Carolさんは、私の腰と背中の辺りからたくさんの情報を読み取っておられるようです。

そして、足首よりも先の部分を。
足の甲や裏をさすっていただいた後、再び足裏をベッドに押しつけるようにして感じると、
足裏面積が広がったような、足裏は弾力を増したような感じがしました。

その後、足首のあたりをゆっくりと触ってもらっているうちに、
「あ、足首が柔らかくなった!」と思った瞬間がありました。
「足首って、全方向に曲がるんだ!」という発見です。
全方向に曲がるのは当たり前の人にとっては当たり前かもしれませんが、
自分は今まで前後(12時―6時)の方向の動きにしか意識が行っておらず、
2時の方向や11時の方向や、微妙な角度に曲げてみようとか重心を乗せてみようとか
思ったことがなかったことに気がつきました(実際うまく動かせてなかったはず)。
運動する前の準備運動として足首をぐるぐる回したり、ということはしていたはずなのに
Carolさんに誘導されているうちに、はじめて脳みそと身体が意識したかのようです。
立って歩いてみると、本当に足首のまねきがよくなったように軽く、
蹴りだしたあと空中にいる間の足がしぜんに返って着地準備をはじめ→
そしてふんわり着地して→また足首が柔らかい動きで床を蹴る→
というふうに、足首から下をうまくつかって歩けている気がしました。

次に、もう一度ベッドにあがり、横向きに寝て、
脇腹のあたりや、腰、仙骨のに触れてもらいながら、
背中側から仙骨にかけて息を入れるようにしていきました。
最初すこしくすぐったかったのですが、
「くすぐったい、というのも大切な情報です」とcarolさんに言っていただき、
安心して呼吸に集中できました。
そのうちリラックスして胴が太くなってきた感じがしました。
途中(たぶんみなさんに説明されたのだと思いますが)、
「今、待っています」というようなことをcarolさんがおっしゃり、
それを聞いたら、身体が待ってもらっていることをうれしく思っている気がしました。
(尊重してもらって、私のペースで進んでいけている感じ)

横になりながら「脚が後ろのほうまで動かせるようになりましたね」と
言われました。私自身はその違いを目で見て確かめることはできなかったのですが、
腰の後ろ側がつっぱっているようなかたい感じがあったのが、張りを感じなくなっていて
反らせやすい感じがし、たしかに、以前より脚は後ろのほうにまで動いているような感じがしました。

最後に「壁があるつもりで、足で壁を蹴るような感じで。とくに親指に意識をして」
と言われてやってみたら、すぐに
腰の一部の筋肉が響くような感じがしてびっくりしました。
立って歩いてみると、今度は脇腹の背中側(腰の骨がないあたり)が
やわらかくほぐれ、ぷよぷよしているくらいの感じがします。
やわらかくほぐれた分、歩くときにその部分が動き、しぜんに腰をひねって歩いています。
以前は、歩くとき、上半身は「脚は脚でがんばって動いて頑張りなさい」とでもいうかのように、前を向いてかたいまま他人事のように素知らぬ顔だったのが
いまは、腰のあたりが歩くのとともにやわらかく動き、下半身や脚に協力的な感じです。

全体的な印象としては、(最後にも申し上げましたが)
「やわらかくなった。やわらかい歩きができるようになった。」という感じでした。

まったく痛くもないソフトなタッチなのに、またまた不思議です。
リラックスできるように進めていただいて、carolさん、通訳の方、みなさんに感謝です。
また次回もよろしくお願いいたします。

2007年11月1日木曜日

2007年RMIクラスを振り返って

10月19日に無事第2回東京ロルフムーブメント認定トレーニングが終了しました。12名の参加と再参加者1名の計13名に加え,約3名のauditorを受け容れ,盛況なうちにclosureを迎えました。今回の実習において,前回の外部クライアントへの5回と3回シリーズの代わりに,参加生同士の5セッション交換と3回シリーズの外部クライアントへのワークに変更となりました。この変更により,連日のワークで多少身体へのインプットが過剰となる懸念もありましたが,参加生がワークを受ける機会が増え,統合をさらに突き詰めることで,参加生の全員が,感覚が十分満たされたembodyされた状態に至ったことは,すばらしい成果だったと思います。少なくとも私がこれまで見てきたトレーニングの中でも,参加者がこれほど高度に統合された状態でクラスを修了するのは珍しいと思います。参加された方々のクオリティの高いワークを実際に実践した結果に他なりません。(余談ですが,かつて私が参加したAdvanced tainingでは,トレーニング終わり際に,ある参加生が自分が期待した変化が全く得られなかったので,これからかかりつけのD.C.にいくといっていたのがずっと頭に残っています。)
クラス内で強調されたように,プラクティショナーの感覚や知覚が,受け手にいかに伝達するかということを考えると,トレーニング中に身になるワークを受ける重要性はどれだけ強調されてもされすぎることはないでしょう。

初日から,クラス全体を安全で開かれた空間が形成され,最終日までそれは維持されました。
理論としてのTonic FunctionやロルフィングのPrinciplesが,言葉や定義的な説明に留まることなく,より踏み込んで,生きて使える深い内容として,探求できたことは全員にとって大きな財産になると思います。
クラスを通して,Carolの参加生とダイナミックに応答し合う姿勢と,彼女の卓越した他者をempowerする力に支えられ,無事クラスが終了しました。
また,朝のMovement瞑想や,モデルクライアントへのセッションの流れを全く妨げない透明で中立的な立場で,Carolの時に詩的で繊細な世界観を見事に通訳された大野百合子さんはこのクラスに多大な貢献をされました。参加された方の大野さんの訳に対する総合評価は非常に高いもので,5段階評価で,4.7という高い満足度が得られています。

参加されたロルファーの皆さん,そして開催に携わって頂いたすべての方に感謝を捧げたいと思います。

Profile

自分の写真
1998年に米国コロラド州ボールダーにて,The Rolf Instituteによりロルファーとして認定されて以来,Rolfing®の個人セッションを中心に活動しています。